『トランセンデンス』 by ウォーリー・フィスター
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読んだ/観た日:2020/05/02
★小説/映画/マンガ/ドラマ/アニメ総合:2.9
ストーリー:3.0
エンディング:2.0(サイコパスを見て作り直して欲しい。一昔前の勧善懲悪ものをラップした感じ。)
登場人物/演技:3.0(エヴリン…演技は良かった。デップさんはさすが。フリーマンさんはなんていうか脚本が意味不明すぎて意味不明なキャラになっとったな…フリーマンさんが演じるには軸がなさすぎる浅いキャラだった。)
絵/文章/映像/音楽:3.8
世界観/独創性:3.5
おしゃれさ/エンタメ性:3.2
深さ/哲学性:3.5
他の人におすすめ:2.8
あらすじ/概要
インストールされた頭脳。それは世界に拡散し、全人類の脅威となった。"彼"は私が愛した夫だった―。死すべき運命だった科学者ウィル。しかしその意識は、死の間際に妻エヴリンによってスーパーコンピュータへとインストールされた。意識だけの存在になったウィルは、オンラインにつながる軍事機密、金融、政治から個人情報まで、世界中のあらゆる情報を手に入れ、究極的な進化を遂げる。そしてナノテクノロジーを駆使し、現実の世界にまで及んだ彼の力は、遂に生命までもコントロールし始めた。常人を遥かに超える力で増殖し、拡散し、支配するウィルに「彼は私の愛した人だったの?」と信じる心が揺らぎ始めるエヴリン。まるで神のごとき力を手にし、変わり果てた男に世界は恐怖を感じ、密かに抹殺計画が進行し始める。そしてエヴリンにも選択の時が・・・
鑑賞中メモ
愛するものを守り抜いた→守り抜いた…?どのへんが…?
AIは危険だという結論にもっていくのか?ラストに期待→…。
なぜすぐに殺さなかったのか
チューリング笑
シャットダウンしろと叫び続けた→なぜ?
何か衝動が怒った時に止める肉体がない
無限ループ的なものが発生する可能性が高いな
こんなのってどんなの?
急にどうしたエヴリンw
おい、銃がエヴリンにあたるだろw
人間の感情は神秘的だみたいな結論か?
なんでウイルスがエヴリン攻撃するの…
感想/考察
…?
エヴリンなんで死んだ?笑ナノテクで直せばよかったのでは…?血に触っただけで感染するの?だったら分身体に血を浴びせればよかったじゃん。血はその前から触ってたし違うんやろなあ…じゃあアップロードする意味は?ウイルスいるって分かってるのに?治せばよかっただけなんじゃ…なぜ直さずアップロードした…?治す=アップロードなの…?だとしたらそれはなんで?
水が侵入して聖域にナノマシンが入れたなら、ウイルス感染したやつも入れるでしょうよ。
ウイルスは電波のみで伝播するのか…?んで感染した瞬間に自己破壊すると…だとしたら”聖域”だけ生き残るのもいけるのか…瞬時に自己破壊して、かつナノマシン同士での感染はなし。それやったらもう地中に染み込んでるやつとか海の中にいるやつとか電波届かないとこにいるやつはだいたい生き残ってる感じ?でも生き残っても演算機能はもうないんだよね…?どうやって動いてるの?自立?
だめだ、全体の印象として悪いと思っちゃうと細部も悪いと思ってしまうな…この聖域の描写は良かったのかもしれない。聖域がなぜ必要なのかみたいなところがもう少しあるといいのかもしれないけど、ウィルの優しさが残ってるっていうとこと、二人だけの場所をウィルが守るみたいな意味合いなのかなあ。
一発で全部死ぬような脆弱性を残すなんてことがあるの…?そんな単純なシステムなの?更新し続けてるんじゃ…単純じゃないとしたらなぜマックスはウイルスなんて作れたの…大体あれだけのシステムならメインシステムに対して何重かのセキュリティを敷くでしょうよ。なんで外部から直でメインシステム破壊できるような仕組みなの笑
エヴリンの心変わりもよくわからんぞ…なんであんな急に不安定になった?
いやーこれはハリウッドの悪いとこでちゃったんちゃうの…
一方的に倒しといて、「アイツは誰も殺さなかったな」「やっぱりあなただったのね」って…人間暴走しすぎやろ…特にエヴリンの心変わりは結構意味不明だろ…そう感じるのはたぶん、エブリンとウィルがほぼちゃんと会話をしてないからだろうな…特に真意を確かめることもなく破壊に走ってるからなー…それでいて最後にあなただったのね、とか言われてもしらけるべ。
なんていうかサイコパス見たあとやから余計チープに感じるなー。サイコパスでは異形の力、圧倒的な力に対してどんな形であれ全員が吟味して対峙してる感じがあった。否定する者もまずは知ろうとしたし、知った上でも受け入れることを選んだものもいる。その苦悩にこそ人の数だけ正義があるということを感じることができた。けど、今回の作品は、なんていうか尺の関係もあるのかもしれないが、自分の理解を超えた瞬間に一方的に拒絶し始めて破壊しちゃって、でもほんとに悪いやつだったんだろうか…The END. みたいなプロットじゃあ納得できないでしょ。なんていうかやっぱりアメリカ人は何か正しいものが存在するのだという、そしてそれは自分たちなのだという考えから抜け出せないのかな。
まあなんか最後の最後にウィルの優しさに気づいて二人で死ぬ、それを見て複雑な顔をするマックス、っていう絵を撮りたかったのだろうが、そこに収束させようとしすぎてよくわからんことになっとるやろ。
ただ、人工知能に対する考察の場としてはよかった
猿が叫び続けてたってのを聞いて最初はなんでだろうと思ったが、今でも例えば株とかに使われてるAIで起きてることだが、何かしら不測の入力があった際に、一般的なプログラミングでいうエラーや無限ループ的なことが発生することはあるんだろうなーと思った。つまりサルは何か不快なことがあって叫んだとしても、普通のサルなら体力の限界とか、その他に興味の対象がうつるとか、そういったことが起こる。それは現実に身をおいているから、現実というカセから逃れられないからだ。だがAIとなるとそうはならない。一生叫び続けるということも可能だ。そして叫び続けてはならないのだとすれば、そこには何か叫ぶ以上の優先事項が生まれるのであり、そういった恣意的な偏りは結局人間が決定することになり、結局人間的な偏りから抜け出せないことになる。AIは結局誰かの思想を反映せざるを得ないのだ。
だがしかしAIの人間と違うところは、”誰か”を複数もてることだ。それによって全体としての意思に少しだけ近づける。そういった意味で単体の人間よりは”間違い”を犯しにくいと言えるだろう。例えば、自動運転を導入したところで、事故は起きる。だが、その確率は圧倒的に低いはずだ。だが何か釈然としないのは、意思が介在しないようでいて、意思が介在しないとするにはあまりにも意思を感じるために、その矛盾に気持ち悪さを感じるのかもしれない。つまり、自動運転車で死んだとしても、本来的にはそれはつまり天災と同じようなものと言える。誰かが殺そうと思ったわけでもないし、”不注意”という意思が介在しているわけでもないからだ。だがしかし、”運転”という意思が必要だと考えられる運動によって死亡したことによって、何か釈然としない感覚が残るのだ。
おそらくAIというものの研究の先に見えるのは、善悪が存在しないということだろう。つまりAIを作るためには善悪を入力しなければならないのだと気づいた時に、人は善悪の本質を知ることになる。AI研究の末に、人類はついに善悪の彼岸に至る。(…のかな?笑)